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LINEのインターフェースからみるアプリの特殊なユーザビリティとは

サイトやアプリのインターフェースはどうあるべきか?UIは常に研究され、そのたび改善を繰り返しているユーザー導線の先端情報の集合体です。スマートフォンデバイスが主流になり、レスポンシブデザインが浸透したタイミングで、ハンバーガーメニューが多用されるようになりました。サービス提供側からすると、すべてのナビを詰め込むことが出来るため非常に使い勝手がいいのですが、実際にはこのハンバーガーメニューは機能しないことも多く、ユーザー導線でも活用は少ない傾向にあります。このようにUIは非常に繊細で、少しの改編で大きな影響が出ることが多いです。特に利用頻度の高いアプリはとても特殊な傾向にあります。利用頻度が非常に高く日本では定番になっているLINEがどうなっているでしょうか。

■タブナビゲーションを貫くLINE

アプリで一般化している導線メニューにタブナビゲーションがあります。カンタンにそれぞれの特徴を述べると、先に述べたハンバーガーメニュー(ドロワーメニュー)は、様々な導線を一か所にまとめ直感操作で画面の切り替えができます。一方、タブナビゲーションはすでに画面に表示されている枠内で固定されたタブですので、数には限りがありつつも、シンプルな導線管理ができます。LINEはドロワーメニューを一切使わず、タブナビゲーションを守り続けています。これはひとえに、タブナビゲーションの方が「直感的」だったと言える結果かと思います。ドロワーメニューの利点である「詰め込み」によって、ユーザーは目的をもってアプリ内を回遊します。しかしタブナビゲーションの場合だと、目の前に画面切り替えのボタンが少しだけ並んでいる状態ですので、用事はなくとも、つい進んでしまうのです。それにより、回遊時間が伸びたり、新たな行動をとってもらうチャンスが生まれるのです。

■「足したら引く」がアプリの原則

タブナビゲーションにも穴が「あります。サービスを運用するうえで新サービスは欠かせないもの。しかし新サービスをユーザーの目の前に置きたいがゆえにタブナビへ「追加」した場合どうなるでしょうか?単純に考えれば、利用頻度の高いタブナビにおいて、新サービスへの接触が増える。と思いますが、その導入の場合、直感性が失われて「全体のアクション率が下がる」という結果になるでしょう。ナビの稼働には最適なバランスがあるのです。それを見定めた上で、「足したら引く」をアプリUIの原則ととらえるのがよいでしょう。

メルカリでは、過去にソールドアウト商品をUIから一斉削除したところ、購入が減速した。という実績があります。これは、運営側としては「買える商品だけを並べることで購入導線をシンプルにしてアクションをスムーズにする」という狙いがあったのですが、実際にはソールドアウトが消えたことで、「この商品がいつかまた買えるかも」という期待を消してしまうこととなりユーザーの動きが鈍化したのです。UIの改編は思ってもみないところに影響を出しかねません。アップデートした後、状況をみてすぐに戻すことも想定の範囲にした上で運用を心がけましょう。

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