金融総合サービスを提供するスーパーアプリの構想
X(旧Twitter)では決済機能を含んだ総合型プラットフォームである「スーパーアプリ」となるべく、開発を進めていると言われています。そのサービスには、低コストの送金やデビットカード発行、高利回り預金、ローンなどが含まれます。イーロン・マスク氏はPayPal時代から、スーパーアプリの構想を練っており、Twitter社の買収を経て、その戦略の実現に向けて動いています。Social Media Today社がXの開発戦略について解説しています。
米国の多くの州で送金業者ライセンスを既に取得済み
スーパーアプリの構想では、手数料無料の決済やアプリ内ショッピングの導入によってユーザーを獲得し、Xアプリの経済圏の中で、その他の金融サービスを展開していくのが狙いだと考えられます。
資金移動サービスを提供するには送金業者ライセンスが必要になりますが、X社は2024年1月までに米国15州で既に取得しています。そして、8月までには31の州に広がってきました。同様に、アプリ内ショッピングを実現するのに必要な決済代行業者ライセンスも米国市場で取得する動きがあります。これらの取得手続きは想定よりも時間を要していますが、プロセスが完了すれば、決済機能X Paymentsの実現に近づきます。
各国の法規制対応とともに、競争が激しい市場におけるユーザー獲得が課題
あるユーザーの報告によると、Xのメニュー欄の一つにPaymentsの項目が加わり、決済機能を導入する開発が進んでいると報じられています。しかし、多くの決済サービスが既に普及している中、Xの決済機能がどれほど広まっていくかは、大きな課題です。加えて、金融サービスは各国の規制に合わせて対応していく必要があるので、全世界で決済機能を展開するのには多大な時間と労力を要することでしょう。
まとめ
Xにおける決済機能の展開には、法規制だけでなく、ユーザー獲得など様々な課題があります。イーロン・マスク氏のスーパーアプリを実現する第一歩として、米国内で確かな実績を上げる必要があります。日本国内での展開は未定ですが、多くのユーザーを要するXの展開として注目が集まっています。
参考資料
https://www.socialmediatoday.com/news/x-continues-to-develop-x-payments-option/723378/
Author:Takayuki Sato