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製造・建設・物流の採用はSNSで変わるのか 現場人材に届く時と届かない時の分かれ目

製造・建設・物流の採用はSNSで変わるのか 現場人材に届く時と届かない時の分かれ目

現場人材の視聴習慣とアルゴリズムの壁を前提にする

SNSが採用に機能するかどうかは、「SNSを仕事探しの場として使っているか」ではなく、「日常の情報消費の中で仕事のリアルに触れたとき、関心が止まるか」で決まります。熟練職人やベテランドライバーなどの即戦力層は、SNSを主に娯楽として利用しており、能動的に転職情報を探す割合は高くありません。そのため、欠員を短期間で埋めたい局面では、検索連動型広告や専門媒体、紹介・エージェントの方が費用対効果は高い傾向があります。
一方で、半年から一年程度の時間軸で、若年層や未経験層に業界や仕事のイメージを伝えたい場合、SNSは選択肢になります。現在のSNSは興味関心ベースで情報が推薦されるため、重機操作、加工工程、配送の工夫といった映像が「面白いコンテンツ」として届き、その後に企業名検索や応募検討につながる導線を作れます。候補者は一つの情報で判断するのではなく、複数の断片情報を重ねて意思決定するため、その断片を意図的に用意できるかが分かれ目になります。

映えではなくリアルを出せる企業ほど信頼される

製造・建設・物流といった現場系職種では、整い過ぎた採用広報よりも、仕事の実態が想像できる情報の方が信頼につながりやすい傾向があります。オフィス採用で効果的な「綺麗さ」や「楽しさ」の演出は、現場では「現実と違うのではないか」という疑念を生みやすいためです。
現場の暑さや寒さ、安全装備の工夫、段取りの考え方、休憩の取り方、チームの連携など、働く姿が具体的に伝わる情報は、ミスマッチを減らす判断材料になります。ただし、リアルを出すことは無防備に出すことではありません。負荷や厳しさを見せる場合でも、対策やルールが併せて伝わらなければ、ネガティブな印象だけが残ります。現場の実態を受け入れ、それを説明できる企業文化があるかどうかが、SNS採用に向いているかの重要な判断軸です。

運用リソースとリスク管理が組めないなら見送る判断も正しい

現場動画を含むSNS運用では、マーケティング以前に、安全・法令・情報管理の体制が問われます。建設・製造・物流の現場では、映り込み一つで安全配慮やルール遵守が指摘され、意図せず炎上や信用低下につながる可能性があります。また、元社員や同業者からのコメントなど、双方向メディア特有の摩擦も前提にすべきです。
有効に機能するのは、投稿前に現場責任者が確認できるフロー、撮影ルール、コメント対応のガイドラインが整っている場合です。これらが用意できず、「発信で採用課題を解決しよう」としてしまうと、応募増が現場の負担になることもあります。その場合は、SNSを無理に使わず、採用サイトの改善や説明会設計、紹介施策を優先する判断も合理的です。

まとめ

・SNS採用は即戦力確保には向かない局面があり、中長期の母集団形成と相性がよい
・現場系職種では、演出よりも実態が伝わる情報が判断材料になりやすい
・運用体制とリスク管理が組めない場合、見送る判断も採用戦略の一つ

SNSを使うかどうかではなく、「今、自社が解くべき採用課題は何か」「リアルを出す覚悟と体制があるか」を整理することが重要です。本記事を起点に、自社にとっての最適な選択肢を検討してみてください。

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