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「ソーシャルリクルーティング×AI」で採用が変わる

「ソーシャルリクルーティング×AI」で採用が変わる

SNSが採用の第一歩になる時代

これまで「求人を探す」といえば、転職サイトや求人媒体をチェックするのが一般的でした。しかし、Z世代を中心にその行動は大きく変わっています。InstagramやTikTokなどのSNSで、偶然目にした動画や投稿から「この会社おもしろそう」「この仕事やってみたい」と関心を持ち、そのまま応募につながるケースが増えているのです。

こうした行動変化に対応する手法が「ソーシャルリクルーティング」。さらにAIの進化を組み合わせることで、候補者探索から応募・面談調整までをスムーズに行える時代が到来しています。

Z世代が示す就活行動の変化

背景にあるのは、求職行動のデジタルシフトです。Deloitteの調査では、Z世代がSNSを通じて企業を知る傾向が強まっていることが示されています。彼らにとってSNSは生活の一部であり、キャリア選択においても自然な情報源になっています。

また、人材不足が続く中で企業側も求人媒体だけに依存するのではなく、新しい接点を求めています。従来の「応募を待つ」スタイルから、SNS上での発見やコミュニケーションを通じて候補者に出会う動きが広がっているのです。

海外で進む最新動向

海外ではすでに「ソーシャルリクルーティング×AI」が実務レベルで活用されています。

・Instagram,TikTok
企業が採用ブランディング動画を発信する取り組みが広がっており、最近ではAIチャットを組み合わせて応募導線を設計する試みも一部で見られます。Z世代との親和性が高く、応募までの導線を短縮できる可能性があります。
・Meta
AIとの会話データを広告やコンテンツ推薦に活用すると発表しており、将来的に採用広告の精度にも影響する可能性があります。
・Indeed
「Talent Scout」というAIツールを発表し、候補者発掘や初期のやり取りをAIで支援。面談調整の効率化を狙っています。

こうした取り組みは、単なる「宣伝」ではなく、候補者体験を重視した採用手法として定着しつつあります。

日本企業のアクションプラン

では、日本企業はどのように応用できるのでしょうか。

1.摩擦の少ない応募導線を設計する
SNS動画からプロフィールページへ誘導し、AIチャットで勤務地や勤務条件を確認。そのまま応募フォームや面談予約までつなげる仕組みを作ると候補者の離脱が減ります。

2.新しいKPIを導入する
単純な応募数だけでなく、

・投稿視聴数
・保存やシェア数
・プロフィール訪問率
・AIチャット起動率
・応募完了率

といったファネル全体を追うことで、SNS起点の採用効果を可視化できます。

3.スキルベース採用を取り入れる
求人票は「必要学歴」ではなく「即戦力となるスキルや経験」を前面に出す。AIが候補者の経歴をスキル単位で解析できるように設計することが重要です。

4.小さく始める運用術
中小企業でも、AI自動応答や簡易動画テンプレートを活用すれば「週5時間の運用」から始められます。リソース不足でも継続可能なスキームづくりが鍵になります。

5.法務・個人情報対応を整える

SNSとAIを組み合わせると、応募者データの取り扱いが高度化します。利用規約の整備、同意の取得、オプトアウト設計を事前に用意しておくことが信頼につながります。

まとめ

北米ではすでに「ソーシャルリクルーティング×AI」が当たり前のように使われ始めています。日本でも同じ波は確実に訪れており、Z世代を中心とした求職行動の変化にどう対応するかが企業競争力を左右します。

SNSでの出会いを起点に、AIを活用してスムーズに応募まで導く仕組みは、採用活動を効率化するだけでなく、候補者に「応募しやすい企業」という好印象を与えます。
これからの採用戦略は、AIとSNSをいかに組み合わせるかがカギとなるでしょう。

出典
https://www.hr-brew.com/stories/2025/09/10/indeed-releases-two-ai-agents-to-improve-hiring-process-for-ta-and-job-seekers?utm_source=chatgpt.com

https://www.deloitte.com/us/en/insights/topics/talent/2025-gen-z-millennial-survey.html

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