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なぜ営業職の採用は難しくなったのか ソーシャルリクルーティングを検討する前に整理すべき前提

なぜ営業職の採用は難しくなったのか ソーシャルリクルーティングを検討する前に整理すべき前提

昨今の労働市場において、営業職の採用難易度は過去最高水準に達しています。求人倍率の高止まりに加え、求職者が重視する働き方やキャリア観が多様化し、従来の求人媒体に広告を出して待つだけの採用は機能しにくくなりました。

こうした状況を受け、ソーシャルリクルーティングに関心を持つ企業は増えています。しかし、安易な導入は成果につながらないばかりか、情報発信のズレによって企業イメージを損なうリスクも孕みます。重要なのは、手法を選ぶ前に「なぜ営業職の採用が難しくなったのか」という構造を理解し、自社にとってSNSが適切な選択肢かどうかを判断することです。本記事では、その前提整理を行います。

営業職の定義変化と待ちの採用の限界

結論から言えば、営業職採用が難しくなった最大の要因は、職種そのものの市場価値が変化した点にあります。従来の説明型・訪問型営業は自動化やAIツールに代替されつつあり、現在企業が求めているのは、顧客課題を構造的に捉えるコンサルティング型や、事業を推進する役割を担う人材です。

このレベルの営業人材は転職市場で顕在化しにくく、求人媒体を定期的にチェックする層ではありません。知人の紹介や業界内のつながり、日常的に接しているSNSやコミュニティを通じて、慎重に次の選択肢を探しています。そのため、即戦力層を求める企業ほど、従来の待ちの採用だけでは接点を持ちにくくなっています。

一方で、未経験者を前提に育成する採用であれば、求人媒体や人材紹介は依然として有効です。ここで重要なのは、営業職採用が難しいのではなく、「どの層を狙うかによって有効な手段が変わった」という点です。

ソーシャルリクルーティングが機能する組織と見送るべき組織

SNS採用は、特定の条件下では有効に機能しますが、すべての企業に適しているわけではありません。機能するケースに共通するのは、情報の透明性を一定程度許容できる組織です。営業職の場合、商品力、商談の難易度、評価制度、ノルマの実態など、求職者が知りたい情報は多岐にわたります。これらを現場の視点で発信できる企業は、価値観の合う人材と出会いやすくなります。

一方、短期的な採用成果を求める場合や、現場ごとの実態差が大きい組織では、SNS活用を急ぐべきではありません。SNS採用は中長期施策であり、アカウント運用や関係構築には時間がかかります。今すぐ人数を確保する必要がある場合は、ダイレクトリクルーティングや紹介会社の方が合理的な選択になるケースもあります。

個人の発信に依存する判断とリスク

営業職のSNS採用では、社員個人による発信が高い反応を得やすい傾向があります。人は企業ロゴよりも人に共感するためです。ただし、ここには明確な判断ポイントがあります。個人の影響力に依存した場合、その社員が退職すればフォロワー資産も同時に失われます。また、炎上時のレピュテーションリスクも無視できません。

個を前面に出すか、チームやプロジェクト単位で発信するかは、営業組織の性質によって判断が分かれます。個人の裁量が大きい営業組織であれば、個人ブランディングを前提とした運用も合理的です。一方、標準化や統制を重視する組織では、無理に個人発信に寄せる必要はありません。

まとめ

営業職の採用難は、一時的な人手不足ではなく構造的な変化によって生じています。
SNS採用は、潜在層に接触できる手段として有効ですが、情報開示と時間投資を前提とした施策です。
自社の採用ターゲット、組織文化、求めるスピード感を踏まえ、「今やるか」「見送るか」「部分的に取り入れるか」を判断することが、結果的に最も合理的な採用戦略につながります。

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