パーソナルな視点を加え、より親しみやすく信頼感のある投稿を行う
従業員生成コンテンツ(EGC)は、職場環境や文化、就業体験を伝えるために、社員に焦点を当ててソーシャルメディアなどで情報を発信する施策です。企業と消費者がより身近な存在になるよう、パーソナルな視点を加えられる点で、従来の広告よりも優れているとされ、近年注目が高まっています。また、従業員が発信する機会を持つことで、就業意欲の向上にもつながる効果が期待されています。Metricool社が従業員生成コンテンツの海外事例を紹介しました。
従業員生成コンテンツ専用アカウントで10万人以上のフォロワーを獲得
スターバックス社は、従業員生成コンテンツ専用のInstagramアカウントを開設し、18万人以上のフォロワーを獲得することに成功しました。このアカウントでは、従業員が主導するコミュニティ活動や、チャリティを目的とした募金活動、ボランティア活動の様子などを発信しています。
アドビ社も同様にInstagramアカウントを運用しており、加えて「#AdobeLife」というハッシュタグも活用して、同社の企業文化を伝える投稿を集約しています。この取り組みは、優秀な人材を惹きつける採用活動にも効果が期待されます。同アカウントは10万人近いフォロワーを有するアカウントへと成長しました。
現場で働く従業員に注目し、業務の裏側を撮影した動画を制作
従業員生成コンテンツは、ソーシャルメディアに限らず、異なる媒体にも活用できます。例えば、専門性の高いスキルを持つ社員が、業界動向についてブログで発信するのも有効です。また、ネットフリックス社がドラマ撮影の裏側をYouTubeで公開しているように、従業員がどのように業務へ取り組んでいるのかを動画で紹介する方法もあります。
従業員生成コンテンツを活用する利点は、高い投資対効果にあります。多額の予算をかけなくても、社員の協力を得るだけで、多くの注目を集めるコンテンツを制作できる可能性があります。さらに、協力した社員が自らの知人や友人へシェアすることが期待されるので、個人的なネットワークの活用にもつながります。
まとめ
従業員生成コンテンツは、単なるマーケティング施策にとどまらず、消費者からの信頼を得てエンゲージメントを高める手段となります。従業員の声に耳を傾け、発信する機会を提供することが、フォロワーとのつながりを強化すると同時に、強固な企業文化の醸成にも寄与するでしょう。
参考資料
Employee Generated Content: la strategia autentica che funziona davvero
Author:Takayuki Sato