投稿者が掲載した商品を閲覧者が購入できるソーシャルコマース

TikTok Shopは短尺動画アプリと統合されたEコマース機能であり、小売業者がオンラインストアを開設できるプラットフォームです。米国では2023年末までに50万社が販売をおこなっており、3ヶ月で2倍に急増しました。全世界でのEコマース拡大を目指し、2025年末には日本、ブラジル、イタリア、ドイツ、フランスが追加される見込みです。South China Morning Post社がTikTokのEコマース全世界拡大戦略について解説しました。
TikTok Shopでは、ソーシャルコマースのアプローチが採用されています。ショート動画やライブ動画と共に投稿者が選んだ商品が表示され、閲覧者が好きなものを購入できる仕組みです。これらの商品は、TikTok Shopに登録した小売業者によって提供されます。

SheinやTemuを上回る成長を遂げるTikTok Shop

Bloombergの調査によると、TikTok Shopの2025年1月における米国での売上は153%増加しました。これは競合企業を大きく上回る成長であり、Sheinは26%、Temuは28%の増加にとどまっています。
また、同調査によると、Sheinが注力している購入額25ドル以上のセグメントでは、TikTok Shopのシェアが16%上昇しました。さらに、Temuが強みを持つ25ドル未満の取引額の小さなセグメントにおいても、TikTok Shopは7%の増加を記録しています。

日本を含む欧州や南米への全世界拡大戦略

TikTokは、米国での規制が強まる中、全世界でサービスの拡大を進めています。TikTok Shopは、米国やメキシコを含む10か国以上に展開されています。2021年に導入されたイギリスでは、2023年に保管、梱包、配送を含めたフルフィルメント機能が追加されました。また、当初2024年夏に予定されていたスペインとアイルランドへの展開は、米国政府の規制強化の影響を受け、2024年12月に実施されました。
TikTokは、日本、ブラジル、イタリア、ドイツ、フランスにおいてEコマース関連の求人を募集しているので、これらの地域でのサービス拡大は着実に進んでいくことが期待されます。

まとめ

TikTok Shopは、競合企業を上回る規模で拡大を続ける成長事業です。米国での事業に不透明な点があるものの、全世界での事業拡大が見込まれています。

参考資料
https://www.scmp.com/tech/big-tech/article/3299194/tiktok-expand-e-commerce-more-countries-us-business-remains-limbo
Author：Takayuki Sato